フライデンバーグ蔵相は、2日発表された2020年4~6月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となり、国内経済が29年ぶりにリセッションに入ったことが示されたことを受け、連邦政府はコロナウイルスによる経済への影響を抑えるためにできうる限りの措置を講じたと述べました。
オーストラリア統計局(ABS)が発表した2020年4~6月期のGDPは、前期比7%減少しました。過去最大の落ち込みとなります。
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リセッションから脱する道のり、長いものに 豪蔵相
1~3月期のGDPが同0.3%減少していたことから、GDPは2四半期連続でマイナス成長となり、オーストラリア経済が29年ぶりにリセッションに入ったことが示されました。
フライデンバーグ蔵相は2日の記者会見で、発表されたGDPデータによりコロナウイルスがオーストラリア経済に与えた壊滅的な影響が確認されたと述べ、「28年間続いたわが国の経済成長も正式に終わることとなりました」と続けました。

Prime Minister Scott Morrison and Treasurer Josh Frydenberg during Question Time at Parliament House in Canberra. Source: AAP
ABSで国民経済指標を統括するマイケル・スミーズ氏は、前期比マイナス7%と過去最大の落ち込みが示されたことについて、コロナウイルスのパンデミックと、その感染拡大の抑制策が背景にあると説明しました。
スミーズ氏は、マイナス7%の落ち込みは「記録の残る1959年以来、四半期データとして最大の落ち込み」だと述べました。
「他国より良い立場」
フライデンバーグ蔵相は、パンデミック発生前のオーストラリア経済の強さに言及し、オーストラリアはほかの先進国と比べて、危機により良く対応するための財政的な力が残されていると述べました。
「わたしたちの優先事項は引き続き人命を守ること、そして、コロナウイルスの感染を見つけ出し、追跡し、治療するための国内の医療制度の対応能力を確保することにあります」と蔵相は述べました。
フライデンバーグ蔵相はまた、コロナウイルスの規制をほとんど導入しなかったスウェーデンや、逆に極端に厳しいロックダウンを行ったフランスのような状況にオーストラリアは進まなかったと述べました。
「わたしたちはその代わりに、数十億オーストラリアドルを投じて、危機が終わるまでオーストラリア人をサポートするという道を選びました」。
連邦政府のマティアス・コーマン金融相は、GDPデータ発表を前にキャンベラで会見し、オーストラリアはパンデミックがもたらした経済危機に対して「大部分のほかの国」よりもうまく対応できていると述べています。
Jobkeeperは延長
連邦議会では1日、Jobkeeper制度の対象と支給金額を勤務時間で2階層に分け、制度を当初の予定からさらに6カ月間延長するための法案が可決されています。
Additional reporting by AAP.