雨と湿気の多い夏へ 豪気象庁3年連続のラニーニャ現象発表

ラニーニャ現象により、オーストラリアの北部から東海岸にかけて、平年を上回る降水量と低い気温が予測されます。

A man with an umbrella walks across a city road

La Niña conditions were blamed for devastating flooding in southeast Queensland and the NSW Northern Rivers this year. Source: AAP / BIANCA DE MARCHI

3年連続となるラニーニャ現象の発生が発表され、オーストラリアの多くの地域では今年も、豪雨並びに蒸し暑い夜が予測されます。

気象庁(Bureau of Meteorology・BoM)のラニーニャ現象警戒システムによる大気・海洋指標によると、ラニーニャは確実で、またBoMはここ数ヶ月、中央熱帯太平洋の冷却を観測したほか、貿易風の強さや赤道域の曇りなど、典型的なラニーニャ指標をすでに確認しています。

これによりオーストラリア北部、並びに東海岸では平年を上回る降水量と、低い気温が予測されます。

「モデリングによると、このラニーニャ現象は春にピークを迎え、2023年の早い時期に中立的な状態に戻る可能性を示している」とBoMは述べています。

ラニーニャ現象は今年、クイーンズランド州南東部とニューサウスウェールズ州ノーザンリバーズで発生した壊滅的な洪水の原因となりました。
3年連続のラニーニャ現象は異例であり、1900年以降、これまで3回しか確認されていません。

ARC気候異常研究センターの副所長であるジュリー・アーブラスター教授は、ラニーニャ現象がこの春にオーストラリア東部にもたらす可能性のある雨は「非常に懸念すべき」ことであると述べています。

「多くの地域は今年初めに発生した洪水からまだ回復しておらず、土壌中の水分量がすでに飽和状態にあるところにさらに降雨があれば、この回復を妨げる可能性がある」と警告しました。
BoMによると、地球温暖化は地域や世界の気候に影響を与え続けており、オーストラリアの気温は1910年から2020年の間に約1.47度上昇していると言います。

またオーストラリア南部では、ここ数十年の間に、冷季節の降水量が全体的に10〜20%減少しています。

その一方で、オーストラリア北部では、短時間に降る激しい雨が発生する傾向にあります。

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Published 14 September 2022 11:41am
Presented by Yumi Oba
Source: AAP, SBS


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