53歳になるスチュワート・アレンさんは30年近く前に、トライアスロンに魅せられ、海で水泳を始めました。
それ以来、海での水泳から得られる自由と感覚を楽しんでいます。
「言葉にするのが難しいです。広々とした海に浮かぶ波に身を任せることで感じられる海水からの良い気持ちなのです。それは完璧に晴れて海が静かで太陽が照り注いでいる時も、逆に変な天気で今にも雨が降るか嵐になりそうな時でも同じなのです。広々とした海原に身を任せるのはとても元気が出る感じで後から、元気が湧いてくるのでです。」
セルジオ・ディエス医師は、ニューカッスルにあるマイトランドとクリクリ病院の医療責任者で、単に海水に浸るだけでも数多くの健康的なメリットがあるということが研究でわかっていると述べます。
「1つは海水の温度から来るもので、抵抗力の向上に関係することが多いです。冷たい水にさらされると細胞の数が増え、内臓をコントロールする神経系の副交感神経機能が向上します。皮膚病の一種で皮膚が乾燥してはがれてしまう様な乾癬や湿疹の様に皮膚を害してしまう様は皮膚病がある場合でも、海水はミネラルが豊富で、そのミネラルが皮膚を被って守ってくれるのです。」
ディエズ・アルヴァレズ医師は海水で運動することもまた加齢により循環器系の病気を抱える様な年老いた人達にも循環器系と精神面での利点があると述べます。新しい運動療法を始める前に、全体的な循環器系等に与える危険などを医師と相談することを薦めています。
「どのくらいの運動をするべきかを決めるのに、いつも患者さんに薦めることは、徐々にするということです。ですから、もし最初の2週間から4週間の間に全然運動をしなかったのであれば、最初は軽い運動を出来る範囲でします。そして、もっと健康になって来たら、よりながい時間をかけてやってみる、そして、その強さを増していく、水の中であろうと外であろうと、それは循環器系の健康状態に直接関係するのです。」
2018年の全国沿岸安全報告書によれば、オーストラリアの成人の64%は海水で止まらずに50メートルを泳ぎ切ることは出来ないことがわかっています。一方、海で泳ぐことが出来ないかあまり泳げない人は成人の45%になります。
アレン氏はプールでの水泳経験が豊富な人も海に出るとパニックしてしまうことにも気づています。
「ゴールド・コーストで泳ぐと、明らかに波をよけていかなければなりませんが、日によって波の間隔が違います。また、波が荒い日もあります。あまり泳ぎが上手でない人にとってはそういった状態はとても怖いのです。平均的な健康状態の人であれば、リラックス出来て自信がある間は大丈夫でしょうが、不安を感じてしまう場合は直ぐに疲れてしまいます。」
ロイヤル・ライフ・セイビングが発表した過去10年間の外国生まれの溺死者数の全国的な研究では、今年国内での溺死者の4人に1人は外国生まれという結果が出ました。
ゴールドコーストのオープン・ウォータースイミング・クラブのスティーブ・コーネリアス代表は、海での遊泳で必要な水泳技術が良く知られていない為だと確信しています。
「この国に来たばかりの人達の多くは泳ぎを得意とする人達ではありません。そして40代の日本人女性がいたのですが、波をくぐるのに必要な技術の1つのダック・ダイブの仕方がわからず、波のゾーンをうまく越すまで6回もかかってしまいました。」
スチュワート・アレン氏は海での水泳が不慣れは人達いはクラブに入ってサポートや仲間を探すことを薦めています。アレン氏はスティーブ・コーネリアス氏が経営するゴールド・コースト・オープンウォーター・スイミングクラブのメンバーで毎週土曜日クラワ・ビーチで集まって水泳をしています。
「ゴールド・コーストでは、大体500メートル置き毎にライフガード・タワーがあります。ライフガード・タワーの間の約500メートルを一緒に泳ぎます。そして、またグループになって1人でずっと泳いでいる人がいない様にします。皆がまた一緒になったら、また500メートルを一緒に泳ぎます。それで、1キロや1.5キロや2キロというところでグループから抜けて水泳を止めることも出来ます。私たちはたぶん2.5キロメートル位までを泳いで終わりにします。大抵そうやって少しずつ泳ぎながら出来る範囲から初めてそれは私の海での水泳にとって大切なことで、それは素晴らしいことですが、必要なのは、楽しむ為にはリラックスする必要があるということです。」
メリディス・キャンペイ医師はニューサウスウエールズの環境と遺産事務所のビーチウォッチ・プログラムのリスク・マネージャーで、雨水排水システムから来る汚水を割ける為に、大雨の後は海で泳ぐべきではないと忠告しています。
高齢で抵抗力があまりない老人達はバクテリア感染により病気になる危険が高いのです。
「大雨の後は胃腸炎や耳、眼、鼻やのどの炎症が起きる危険が高まることがわかっています。」
キャンピー医師は大雨の後は少なくとも1日、港の地域では3日は海に入らないようアドバイスしています。目視でチェックするか地元の海岸の水をモニターするウェブサイトなどを見て泳ぐべきかどうかを決めて下さい。
「水の色やにおい、又は油や不純物が浮いていないかどうか、またゴミが浮かんでないかなどです。」
オートラリアの海で泳ぐ最に一番危険なことはサメの攻撃だと思う人もいるかもしれませんが、サーフライフ・セイビング・オーストラリアによれば、リップカレントいわゆる離岸流が実際一番危なく、年平均19人が亡くなっています。
コーネリアス氏はリップカレントの無い場所に設置してある旗の間を常に泳ぐことを奨励しています。
「離岸流が起きるのは、沿岸沿いで流れて来る水より流れて行く水の方が多い場合を言います。ですから、離岸地域で海岸線へ向かって泳ぐのは非常に難しく、多くの人達はその様に泳げないのです。ですから、旗のある場所を探して泳げば、沖に流されることなく安心して海水で泳ぐ事が出来るからです。」
海の状況と天候が常に変わることから、海での水泳は決して前と同じことはありません。視界も時によって変わってきます。
「波のうねりや、流れそして、大きさ、そしてただ普通の一般的な状況や天候によって変わってくるので、同じ海岸の同じ場所で泳いでいても決して同じ状況ではないのです。20、30メートルすっきりと見えて素晴らしく感じる日もあるでしょう。環境が良いときもあれば、顔の前にある自分の手すらキチンと見えない様な日もあるのです。」
天候や海の状況によって、泳ぐ環境が全く変わってしまう海。海水で泳ぐメリットも多い中、十分注意が必要です。安心して海での水泳を楽しむことが出来る様、、十分気をつけて下さい。