ものづくりジャパンだからこそ ブームで終わらない日本のウィスキー 野田嘉宏さん

Japanese Whisky Yoshihiro Noda

Yoshihiro Noda, Japanese Whisky Bar Source: Yusuke Oba

5月21日のワールド・ウィスキー・デーに先立ち、シドニーでジャパニーズ・ウィスキーバーを営む野田嘉宏さんにお話を伺いました。


日本にウィスキーが最初に持ち込まれたのは江戸時代末期の黒船来航時と言われ、初の国産ウィスキーが登場したのは1929年のころでした。

まだ歴史が比較的に浅いといえるジャパニーズウィスキーですが、近年、スコットランド、アメリカ、アイルランド、カナダとともに世界5大ウィスキーと呼ばれるほど、日本のウィスキーの評価は高く、その人気も急上昇しています。

シドニーでを営む野田嘉宏さんは、日本のウィスキーが幅広く認知され、愛されるようになったのは、世界各国のコンテストで日本のウィスキーが「栄誉ある称号」を得られるようになったからだと話します。

イギリスのウィスキー専門誌が主催する国際品評会「ワールドウィスキー・アワード」でも今年、福島の「山桜 ブレンデッドモルト ジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブ」が、ブレンデッドモルトウイスキー部門で世界のトップに輝いたほか、北海道の「厚岸ブレンデッドウイスキー 処暑」がブレンデッド部門で世界最高賞に選ばれました。
「長年の熟成を経てやっと日の目を浴びて賞をとっているというのがすごく考え深いです」

日本のウィスキーは「バランスがよく、味わい深い、そして繊細である」と話す野田さん。

昨今の人気により、需要は供給を上回り、原酒不足であり、値段が高騰しているのも事実だと話します。
Japanese Whisky Austalia
Source: Yusuke Oba
1989年に来豪した野田さんは、30年近くに渡り、シドニーでナイトクラブを家族で経営してきましたが、パンデミックにより、その継続が厳しくなり、ビジネスの方向転換を余儀なくされます。

「新たな目線でお客様の接客をしよう」と、シェフである弟の協力を得て、ジャパニーズウィスキーバーをオープンすることを決意。

「苦渋の決断」ではあったと話す野田さんですが、パンデミックを経験し、ロックダウンを体感できたからこそ、今の形になれたと前向きに話されます。

「削る部分は削る、抑える部分は抑える、いろんなものを削ぎ落として、今の形になりました」
Japanese Whisky Austalia
Yoshihiro's younger brother and chef, Raita came on board to remodel family business of 30 years Source: Yusuke Oba
日本のウィスキーについて丁寧に説明し、お客様が自分好みのウィスキーと出会えるよう、日々心がけているという野田さん。お店ではハイボールを紹介したり、料理とマッチングしたりと、日本のウィスキーのあらゆる楽しみ方も紹介しています。

「ものづくりジャパンだからこそ、真面目にコツコツと、美味しいものを作るという日本人気質がウィスキーに現れている」と話す野田さん。

だからこそブームで終わるのではなく、今後も愛され続けるだろうと語ります。

5月21日はワールドウィスキーデー。この機会に、ローカルの方々に日本のウィスキーを紹介してみてはいかがでしょうか。

※ オーストラリアでは18歳未満の飲酒、及び18歳未満へのアルコール販売は禁じられています。多量の飲酒は、健康への悪影響や社会的な問題を引き起こします。リスクを正しく認識し、適正量を守りましょう。

野田さんのフルインタビューは下記から
LISTEN TO
"It's not just a trend" : Why Japanese whisky is loved worldwide  image

ものづくりジャパンだからこそ ブームで終わらない日本のウィスキー 野田嘉宏さん

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