Key Points
- 元ブラジル代表FWミネイロと元JリーガーFW大井健太郎が、オーストラリアの草の根レベルでサッカーに貢献
- 二人は先日メルボルンで行われたU13レベルでコーチとして対決
- オーストラリアはこのような優秀な選手から指導を受けられる「信じられないほど幸運な国」だと、試合主催者の一人は言う
ミネイロの愛称で親しまれ、24キャップを誇る元ブラジル代表MFカルロス・ルチアーノ・ダ・シルバと、プロ生活20年の元JリーガーDF大井健太郎。その輝かしいキャリアの中で2人が同じピッチに立つことはありませんでしたが、7月16日、メルボルン東部の郊外にあるグラウンドで、両者が監督を務めるU13年代の2チームによる親善試合が行われました。

Football bringing together communities Credit: Kentaroh Ohi
ビクトリア州のイースタン・ライオンズ(NPL2)に今季完全移籍しました。
日本ではB級コーチライセンスを取得していた大井選手。
「日本で受けられるような指導をしてほしい」という、日本人コミュニティーからの声もあり、指導も始めるように。
はじめはプライベートレッスンを行っていましたが、人数が増えていく中、スクールを開くことを決意。
オーストラリアでは日本のような「細かい指導」が欠けていると感じることから、そこに重点を置きながら、選手が自分で考えられる力を大切に指導を行っています。
「試合が始まれば、監督は叫ぶことはできますが、結局は選手が自分で考え、決断しないといけません。選手のイマジネーションを大切にしたいです」
大井選手のチームにとって、今回が初めての試合となりました。
Credit: Kentaroh Ohi
ミネイロ氏は、13年間住んだドイツのレクリニガウゼンから2020年にメルボルンにやってきました。
47歳の元ミッドフィルダーは、それ以来、草の根レベルでのサッカー指導に人生を捧げています。
「スポーツのインフラと社会の考え方が気に入ったんです。オーストラリアでサッカーに関わる仕事を始めるチャンスがあることに気づいたんです」と、オーストラリアを訪れた2014年を振り返りながら、に語りました。
「多くの元選手やコーチが(オーストラリアで)子供たちに教えているのを見ました。ドイツでは閉鎖的なシステムがあるため、このような機会はあまりありませんでした」。
結果は7-2で大井選手のチームに軍配が上がりましたが、イベント主催者の一人であるマイケル・オン氏は、は、「結果がすべてではない」と話します。
「コミュニティーがひとつになること、そしてスポーツを愛することが目的でした」
「かつて故レス・マレー(SBSのサッカー司会者)が言ったように、サッカーは人々をひとつにし、共通言語だと信じています」。
またグラウンド内外の雰囲気は大変ポジティブなもので、ミネイロ氏は試合後、子供たちのためにピザを用意しました。
「このような育成的な試合を観れて素晴らしかったです。残念ながら、メルボルンでは攻撃的な試合が多いんです。コーチが怒鳴ったり、親が怒鳴ったり、審判が怒鳴られたり...。だからメルボルンでは審判が不足しているのです」

Mineiro organised pizza for the children after the match. Credit: Kentaroh Ohi
大井選手は、この試合を行うために多くの人がサポートしてくれたことに感謝すると同時に、試合については「子供達がノビノビとアグレッシブにそしてフェアにプレーしてくれたことが嬉しかった」と振り返ります。
「練習で取り組んでいることを選手が試合で出すことができると、指導者としての喜びを感じました」
また大井選手は、現在日本で問題となっている「選手のセカンドキャリア」について言及。
「引退する選手の数は増え続ける一方で、監督の枠は変わりません」
外国でサッカーの指導を行うことも選択肢のひとつであるということをことを示したいと話します。
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語オーディオ!
から過去のストーリーを聴くこともできます。