NSW州厳しい検疫罰則施行

スコット・モリソン首相は火曜日のナショナル・キャビネットで、オミクロン株が不安を煽っているものの、州やテリトリーのリーダーたちに再開計画を守るよう訴えました。

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保健当局が新変異株の情報収集を行うなか、オーストラリアはクリスマスまでの再開に向けて予定通りの道のりを歩む見込みです。

チーフ・メディカル・オフィサーのポール・ケリー氏は、オミクロン株の脅威を明確にするまで、最大で2週間かかるだろうと、州やテリトリーのリーダーに対して述べました。

一方で、ワクチンの効果が低いという証拠はないと述べています。

モリソン首相はオミクロン株にことを強調し、この新型のCOVID-19株によってオーストラリアが再びロックダウンされることはないと主張しました。

「再度ロックダウンすることはありません、それは誰もが望まないことです」

NSW州罰金額の増加

ニューサウスウェールズ州では、検疫や検査を怠った場合の罰金を、従来の1000ドルから5000ドルに引き上げました。また、企業が規制に違反した場合の罰金は1万ドルに倍増されています。

ドミニク・ペロテイ州首相は、これはオミクロン株の詳細が明らかにされるまでの間に必要な予防措置であると述べています。

「ニューサウスウェールズ州は十分な準備を行っていますが、地域社会を守るために必要な措置を取り、COVIDとの共存を学べるような対策を採用することが重要です」と述べています。
ニューサウスウェールズ州とビクトリア州に入国するすべての海外旅行者は、72時間隔離を行い、COVID-19検査を受ける必要があります。

また、ニューサウスウェールズ州では入国後6日目に、ビクトリア州では5日目から7日目の間に2回目の検査を受ける必要があります。

アフリカ南部の8ヵ国(ビクトリア州の場合は9ヵ国)からニューサウスウェールズ州に入国するすべての旅行者は、14日間の検疫を受ける必要があります。
12月1日からオーストラリアへの入国が認められることになっていた日本国籍者、韓国国籍者、ビザ保持者も国境再開が12月15日まで延期されています。

モリソン首相はこの延期は、医療専門家がオミクロン株によってもたらされるリスクを評価するために必要な措置であるとしています。

オーストラリアのワクチン専門家パネル、ATAGIは、今回の変異株により、ワクチンのブースター(追加接種)を前倒しする必要があるか検討中です。

現時点で、ワクチンのブースターは2回目のワクチン接種から6ヵ月後に推奨されています。

NSW州で5件目のオミクロン株確認

ワクチン接種を完了していた30代の女性が、火曜日、ニューサウスウェールズ州の5件目のオミクロン症例として確認されました。過去2日間で確認された他4人の陽性者とは異なり、アフリカ南部から帰国したこの女性は先週の金曜日と土曜日に複数のショッピングセンターやスーパーマーケット、ファーストフード店などを訪れていることから、感染拡大が懸念されています。

女性は現在、セントラル・コーストの自宅で隔離をしていますが、到着時には隔離の必要がなかったため、罰金の対象とはなりません。
オミクロン株が確認された他の4人は、入国時に感染が判明したため、直接特別な保健施設へと移動されていましたが、30代の女性はここでは感染が確認されませんでした。

この女性が搭乗していたドーハからの便には、他にも2名が陽性反応を示しており、現在緊急のゲノム解析が行われていますが、いずれもアフリカ南部へは訪れていません。

ニューサウスウェールズ州のブラッド・ハザード保健相は、ブースター接種を受ける資格がある人は、今すぐ予約を入れるべきだと呼びかけています。「致命的なウイルスになりうるものに対する最善の防衛です」

また政府がこの変異株を真剣に受け止めていることを明かし、隔離を逃れようとする人に対しては、警察や保健局が規制の遵守を厳しく取り締まるとし、考え直すよう訴えました。

先週土曜日には、グレッグ・ハント連邦保健相が、南アフリカ、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニ、マラウイから到着した人々に対して、2週間のホテル隔離を発表しています。

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Published 1 December 2021 10:32am
Presented by Yumi Oba
Source: AAP, SBS


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