スペイン女子W杯初優勝、宮澤ひなたが大会得点王

スペインが1-0でイングランドを下し、W杯初優勝。なでしこジャパンの宮澤ひなたは5得点で大会得点王に。

For the first time - and in only their third appearance in the tournament - Spain has won the Women's World Cup. Source: Getty / Cameron Spencer

FIFA女子ワールドカップ2023の決勝戦が8月20日、シドニーで開催され、スペインがイングランドを1-0で破り、悲願の優勝を果たしました。

スペインにとってはワールドカップ出場3度目にしての初決勝、イングランドにとっては出場6度目にしての舞台となりました。

スペインのオルガ・カルモナが、この試合唯一のゴール

好調な立ち上がりを見せたスペインは前半、ポゼッションで大きくリード。29分、スペインのオルガ・カルモナが、ペナルティエリア内に左から走り込むと、そのまま左足で強烈なシュートをゴール右側に突き刺し、先制点。イングランドはスコアをイーブンにすることができないまま前半を折り返します。

Both England and Spain made history - playing in the Women's World Cup final for the first time. Source: Getty / Cameron Spencer

後半、イングランドは2人を交代し挑むも、スペインの攻撃が続き、68分にはイングランドのキーラ・ウォルシュのハンドボールにより、スペインにPKが与えられます。

これをイングランドのキーパー、メアリー・アープスがブロックすると、流れは一時イングランドへと変わるものの、スペインがイングランドの攻撃を封じ込み、1点のリードを守りきりました。

It's the first time England's women's team has made it to the World Cup final. Source: Getty / Naomi Baker / The FA

歴史に残る女子ワールドカップ決勝

授賞式では、スペインのサルマ・パラルエロに最優秀若手選手賞のトロフィーが授与されました。パラルエロは、準々決勝と準決勝の両試合で、ベンチスタートからスペイン代表の勝利を支えました。

またイングランドのメアリー・アープスがゴールデン・グローブ賞を受賞。大会のMVPに当たるゴールデン・ボールはスペインのアイタナ・ボンマティに贈られました。

宮澤ひなたが大会得点王

一方、本大会ベスト８で敗退したなでしこジャパンの宮澤ひなたが、５得点で大会の得点王に当たるゴールデンブーツに輝きました。なでしこジャパンが優勝を果たした2011年大会の澤穂希さん以来となる、日本人2人目の快挙です。

WELLINGTON, NEW ZEALAND - AUGUST 05: Hinata Miyazawa of Japan celebrates after scoring her team's third goal during the FIFA Women's World Cup Australia & New Zealand 2023 Round of 16 match between Japan and Norway at Wellington Regional Stadium on August 05, 2023 in Wellington / Te Whanganui-a-Tar, New Zealand. (Photo by Maja Hitij - FIFA/FIFA via Getty Images) Credit: Maja Hitij - FIFA/FIFA via Getty Images

現在マイナビ仙台レディースでプレーする23歳のミッドフィルダーは、ザンビアとの初戦で２得点を上げると、グループ最終戦となったスペイン戦でもさらに２得点。本大会のチャンピオンを４－０で下した歴史的な試合に大きく貢献しました。

その後決勝トーナメントではノルウェーとのラウンド16で５点目を上げ、プレイヤー・オブザ・マッチにも選ばれました。

オーストラリア女子サッカーの未来

オーストラリアとニュージーランドで開催された2023女子サッカーワールドカップは、新たなサッカーファンを生み出し、次世代をインスパイアする大会となりました。

オーストラリア代表マチルダズとスウェーデンの準決勝ではテレビの視聴者が、人口の約42％に当たる1,115万人に達し、オーストラリアで過去に放送されたすべての番組の視聴者数を上回る記録となりました。なお、これは各地で実施されたパブリック・ビューイングの数を反映していません。

またマチルダズの活躍は、女子スポーツへのさらなる投資を求める声に火をつけ、19日土曜日、連邦政府が女子スポーツへの2億ドルの投資を発表しました。

さらには、より多くのオーストラリア国民が女子スポーツイベントを無料で視聴できるようにするための改革も行われる見通しです。

アンソニー・アルバニージー首相は、マチルダスが「国民的なインスピレーションの瞬間を与えてくれた」とし、その次のステップとして、次の世代にもそのチャンスを与えるため、オーストラリア全土の女子のコミュニティ・スポーツ施設に投資することを約束しました。

「女子ワールドカップは、オーストラリアにおけるスポーツを永遠に変えました」

マチルダズのサム・カーは準決勝後、グラスルーツにおける資金の必要性を訴えました。

「資金が必要です。あらゆるところに資金が必要なんです」。

またチームメイトのステフ・キャトリーもカーのコメントに同意し、人々が興味を持ってくれ、多くの子どもたちがスポーツに参加し、多くの人が観戦している今だからこそ、その資金がこれまで以上に必要であると訴えました。

火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語オーディオ！

ポッドキャストから過去のストーリーを聴くこともできます。

SBS 日本語放送のFacebookもお忘れなく。