豪政府が移動規制を強化、ブリスベンをホットスポットに

英国で確認された変異種の感染拡大を防ぐことが目的です。

National Cabinet will meet again.

Source: AAP

これまでのコロナウイルスよりも感染力の強い英国変異種の感染がオーストラリアで拡大することを防ぐため、連保政府が空の便での移動規制の強化に踏み切っています。

各州・テリトリーのトップが参加するナショナルキャビネットは8日の会合で、英国変異種への対応強化を目的に、国際線と国内線の航空便利用についての規制を強化することに合意しました。

また、連邦レベルでブリスベン大都市圏(Greater Brisbane)を感染ホットスポットと宣言することにも合意しました。ブリスベンでは清掃員が英国変異種に感染したことを受けて、8日夜から3日間のロックダウンが敷かれています。

航空便の利用における規制強化では、海外からオーストラリアに飛行機で移動する人は、オーストラリアに向かう飛行機に搭乗する前にウイルス検査で陰性の結果が出ていることを示す必要があります。さらに、オーストラリアで受け入れる入国者数の上限がこれまでの半分に削減されています。

加えて、英国発の飛行機を利用する人は搭乗前に、英国変異種に感染しているかを調べるための結果が迅速に判明するテストを受ける必要があります。

飛行機の搭乗者は国際線とオーストラリア国内線すべてで、マスクを着用することが義務となります。機内に加えて、オーストラリア国内の空港でもマスクを着用する義務があり、オーストラリア国外の空港でもマスクを着用することを奨励しています。マスクの着用義務は、12歳以下の子どもは対象となりません。
連邦政府のスコット・モリソン首相は、「このウイルスには通常の対策は通用しません。私たちは新しい状況に対して適応し続けていく必要があります」と述べました。

搭乗前のウイルス検査要件は、テストを受けることが難しく感染リスクの低い国からオーストラリアに来る季節労働者などに対して、一部免除されています。免除の対象となる人たちについては、それぞれの状況に合わせた検査が行われます。

入国受入者数は2月半ばまで半減

オーストラリアに入国する人の数は、ニューサウスウェールズ(NSW)州、西オーストラリア州、クイーンズランド州でこれまでの上限の半分に削減されています。

新たな入国受入者数はNSW州で週当たり1,505人、西オーストラリア州で週512人、クイーンズランド州で週500人です。



ビクトリア州での受け入れ者数は、州内での感染第2波を受けて減らされていた週当たり490人が維持されています。

ナショナルキャビネットは入国受入者数の制限について、2月15日まで続けることで合意しています。

モリソン首相によると、海外滞在中のオーストラリア人のうちの80%が、英国変異種の感染が明らかに拡大している国々に滞在しています。

「この変異種についてはまだ分かっていないことが多くあります。今回の予防措置はそのためで、非常に賢明なアプローチだと考えます」と、モリソン首相は述べました。
連邦政府のチーフメディカルオフィサー、ポール・ケリー氏は、今回の規制強化について、感染力の高い英国変異種がもたらすリスクを抑えるための「迅速で断固たる、有効な」措置であると説明しました。

「(今回の措置の)主な目的はオーストラリア人の安全を守ることであり、英国変異種(のウイルス)をオーストラリア国内でまん延させないことにあります。一度まん延してしまえば、その後ウイルスを抑えることが非常に難しくなるからです」、と述べました。

新たな規制強化ではさらに、自己隔離プログラムに関わるすべての従業員が毎日ウイルス検査を受けます。

国際線の乗務員はオーストラリア到着時または7日ごとにウイルス検査を受ける必要があり、業務を行うフライトとフライトの間の期間は、専用の施設で隔離生活を行います。

オーストラリア外務貿易省(DFAT)に対してオーストラリアへの帰国の意思を登録している人は現時点で、約3万8,000人となっています。


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Published 9 January 2021 3:23pm
By Tom Stayner
Presented by Junko Hirabayashi


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