ビクトリア州政府のダニエル・アンドリュース首相が7日の記者会見で、メルボルン大都市圏(metropolitan Melbourne)の住民に対して6週間のロックダウンを行うことを明らかにしました。
ロックダウンの対象には北部のミッチェルシャイアも含まれ、8日の午後11時59分から導入されます。アンドリュース首相は、厳しい措置を講じなければ、今後感染の拡大を抑えることができなくなると語りました。
アンドリュース首相は「(感染者数が)持続不可能なほど高い数字」になっていることで、現在の水準で感染者数が増えることでウイルスの追跡などに対応できる人的リソースが不足し、厳しい措置を講じることなしにウイルスを封じ込めることはできないと説明しました。
アンドリュース首相はまた、最近の数週間で、州内に誤った安心感が広がっていたと指摘し、「私たち1人1人が、規制をちゃんと守っていない誰かを思い浮かべることができると思います。(中略)私たち1人1人が、政府が(再ロックダウンという)この困難な措置を講じるしか方法がないことを知っていると思います」と述べました。
7日に確認された州内の感染者数は191人で、このうち13人が、厳しいロックダウンの対象となっているパブリックハウジングの住居タワー9棟と関連がありました。
州首相は住居タワー9棟に対するロックダウンについて、住民のウイルス検査が完了次第、当局が解除する計画だとしています。
州のチーフヘルスオフィサー、ブレット・サットン氏によると、ビクトリア州の感染者数は累計で2,824人、このうち772件が「アクティブ」なケースとなっています。
一方、ニューサウスウェールズ州は、ビクトリア州との州境を閉鎖する準備を進めています。州境の警備に警察官約650人が配置されるほか、週末までにはさらにオーストラリア軍から350人の人員が派遣されます。
確認された感染者のうち4件は、メルボルンのエッピングにあるノーザンホスピタルの救急スタッフ間での感染に関連したものでした。ノーザンホスピタルではこれで、スタッフ8人と1つの世帯の感染が確認されたことになります。

Witness to the Melbourne Towers 'violations': what happened during the lockdown was against human rights and the rights of all people Source: AAP
ノーザンホスピタルの救急部門は現在、一時的に外来患者の受付と緊急性のない手術を減らす形で、引き続き業務を行っています。
メルボルン北東部ロザーナにある高齢者施設アシシ(Assisi)エイジドケアでも新たにスタッフ1人の感染が確認されています。このスタッフは感染力があったとみられる期間には勤務を行っておらず、施設の入居者とスタッフを対象にしたウイルス検査が7日から始まります。
COVID-19のウイルス検査はオーストラリア各地で広く普及しています。風邪やインフルエンザのような症状がある場合は、医師またはコロナウイルス・ヘルスインフォーメーション・ホットライン(電話番号1800 020 080)に電話で問い合わせて、検査を受けましょう。
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