キーポイント
- 新たな報告書によると、極度の貧困に陥るオーストラリア人が急増している
- 調査対象となった1700人のうち、93%が生活必需品の購入に苦労
- 経済的ストレスの影響を最も受けているのは子供のいる世帯で、その75%が貧困ライン以下で生活している
慈善団体サルベーション・アーミーが発表した新たな報告書によると、何千人ものオーストラリア人が極度の貧困に陥っており、なかでも最も脆弱な立場にいる人々は「生き残るため」に、必死な手段を取らざるを得ない状況にあることがわかりました。
報告書によると、過去12ヶ月の間に貧困が急増し、生活必需品を買う余裕がなくなった多くの人々が食事を抜いていることも明らかになりました。
「誰もが厳しい状況に立たされています。しかし、すでに生活苦にいた人は、生活費危機(cost-of-living crisis)によって生き残ることがほぼ不可能になっています」と、サルベーション・アーミーのスチュワート・グローバー秘書は述べています。
「私たちは昨年、貧困に陥る一般的なオーストラリア人が大幅に増加しているのを目の当たりにしました」
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所得補助を受けているオーストラリア人、深刻な貧困状況明らかに
過去12ヶ月間にサルベーション・アーミーのサービスを利用した1700人を対象にした調査によると、93%が生活必需品を買うのに苦労していることがわかりました。
グローバー氏によると、典型的な回答者は、住居費、食費、光熱費、健康費、燃料費などの生活必需品を支払った後、1日に使えるお金や貯蓄が6ドル未満で生活しているといいます。
「多くの場合、以前はサルベーション・アーミーを助けるためにボランティアやお金や時間を寄付していた人たちが、今では私たちに助けを求めてきています」
この調査は、サルベーション・アーミーが毎年行っている「レッド・シールド・アピール」に合わせて発表されたもので、回答者の50%以上が食事を抜き、半数が必要な医療を受けることができないことも判明しています。
子供のいる世帯は、経済的な圧力によって最も大きな打撃を受けており、4分の3が貧困ライン以下で生活していることも明らかになりました。
また、約25%が子供を医者や歯医者に連れて行く余裕がないと回答し、20%が1日3食の食事を提供することができないと回答しています。
ある55歳の女性は、住居費と食費が払えなく、この9ヶ月で40kg痩せたと話しています。
「お金はすべて、子供たちに安全に生活できる場所を提供するために使われています」
また、29歳の母親は、自分の食費もままならず、子供の生活費を稼ぐために身の回りのものを売り払っていると言います。
「子供たちの食事の残りがあればそれを食べるか、あるいはただ食べないだけです」と彼女は話します。
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同年代と比較したあなたのスーパーアニュエーション残高は?
グロバー氏は、オーストラリア国民に対し、レッド・シールド・アピールを支援するため頑張って寄付をすよう呼びかけています。
「必要性はかつてないほど高まっています」
今年のアピールでは、オーストラリア全土で2000以上のサービスを提供するために、3700万ドルの寄付を集めることを目標としています。
レッド・シールド・アピールの全国一斉ドアノックは、5月20日と21日に行われます。
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!
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