サラ・ガーディナーさんは、中小企業の経営者であり、7歳、4歳、そして9週の赤ちゃんを持つ3児の母です。ガーディナーさんがこの6年間、フルタイムで働くことができたのは、さまざまな育児サービスを利用できたからです。
「これまでに、個人的なナニー、住み込みのオーペア、ファミリーデイケア、ロングデイケア、そしてKUプリスクールなどを利用してきました」と彼女は言います。
ハイライト
- オーストラリアにはセンターベースのデイケアをはじめ、ファミリーデイケア、学校時間外のケア、家庭内でのケア、プリスクールなど、様々な保育サービスがあります
- 就学前の期間をデイケアセンターで過ごす場合も、独立した幼稚園で過ごす場合も、同じカリキュラムが教えられるはずです
- 連邦政府は、家族の収入と仕事や勉強の時間に応じて、保育料を補助しています
チャイルドケアの選択枠
オーストラリアでは子どものニーズに応じて様々な保育サービズを利用することができます。
ひとつ目の選択は、センターベースのデイケアで、ロングデイケアとも呼ばれます。規制当局によって、質の高い幼児教育と保育が承認されているチャイルドケアセンターで、その多くは、1日10時間または12時間の保育を行っています。
もうひとつの選択肢は、教育者の自宅で運営されるファミリーデイケアです。

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学校時間外のケアとは、子供が学校の前後にケアを必要とする場合(通常は午前6時半~午前9時まで、午後3時~午後6時まで)やスクールホリデー中に提供されるケアです。
このようなケアの選択肢がない地域では、教育者が子供の家庭でケアを提供するインホーム・ケアなどもあります。
このインホーム・ケアは、地理的に孤立している家族や、標準的でない時間帯に働いている家庭、困難で複雑なニーズを持つ家族に適しています。
プリスクールは、政府公認のサービスで、3歳から6歳までの子どもたちを対象に就学前の教育とケアを提供しています。
「通常プリスクールでは、プログラムがより構造化されているほか、短い時間帯でケアを提供しています。場所によっては『キンダー』と呼ばれたり、『プリスクール』と呼ばれたりして、子どもたちはそこから少しずつ構造化された学校環境に慣れていくです」と、教育省の幼児・児童ケアグループの副長官であるバクスター氏は言います。
バクスター氏によると連邦政府と州政府はともにこの種のケアを支援していると言います。

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子どもはいつから入園?
バクスター氏によると、プリスクールを除く各タイプのケアを始める、またはやめる年齢は、各家庭の状況やニーズによって異なるそうです。
ガーディナーさんは、子どもが幼いうちに良いファミリーデイケアに巡り会えたのは幸運だったと言います。
「1人目は生後8ヵ月、2人目は生後8週間で仕事に復帰したので、2歳未満の子どもを預かってくれるサービスが必要でしたが、私の住んでいる地域にはその年齢層向けのロングデイケアがありませんでした」
「ファミリーデイケアには同じような年齢の子どもが他に3人いて、幼い子どもを預けるにはよりよい環境だと思いました」
一方ファミリーデイケアの唯一のデメリットは、ケアラー自身が体調を崩したり、ケアラーの子どもが体調不良の場合、閉鎖されてしまうことだと語ります。
入園の準備
ガーディナーさんは上の2人の子どもが2歳になったときに、チャイルドケアセンターに移りました。
「ここでは他の子どもたちとの社会的関係や自信を育むためのサポートをしてくれました。また、長い時間預かってくれることも、とても助かりました」と彼女は言います。
しかし、子どもたちが3歳半になったとき、今度はプリスクールに通わせました。
「KU(プリスクール)では子どもたちがそれぞれ責任を持ち、自立心を育むことにフォーカスが当てられており、学校の環境に溶け込むために必要なスキルを身につけることができます」
「クラスの前で発表する『ニュースデー』や、図書日などが設けられているほか、子どもたちは自分たちでお弁当箱を出したりしまったりすることが求められ、ロングデイケアセンター以上に、それぞれに責任が課せられています」

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オーストラリアのスーパーアニュエーションシステムを説明
オーストラリアでは、就学前の期間をデイケアセンターで過ごそうが、幼稚園で過ごそうが、同じカリキュラムが教えられるべきだと、ロス・バクスター氏は言います。
「違いを挙げるのであれば、1日10時間、12時間のセンターに通っている子どもは、その一部のみ就学前のカリキュラムが教えられていることです」
プリスクールのカリキュラムは年間600時間に設定されており、これは1週に7.5時間x2回に相当します。
保育料と補助金
ガーディナーさんによると、デイケアセンターよりもプリスクールの方が値段を抑えられたと語ります。
バクスター氏によると、就学前の1年間は州政府と連邦が補助金を出しているため、プリスクールの方が安くなることがあるそうです。
「センターベースのデイケアでは、子どもたちは10時間から12時間のケアを受けるため、就学前の教育費用だけでなく、その他のケアや食費、備品の費用などもかかります」
バクスター氏によると、センターベースのデイケア、学校時間外のケア、ファミリーデイケア、家庭内ケア、プリスクールのすべてが、連邦政府から資金援助を受けられると言います。
プリスクールについては、連邦政府から各州に資金が提供され、その資金は各州のプリスクールに還元されます。
センターベースケア、ファミリーデイケア、学校時間外のケアについては、家族の収入とアクティビティ・テスト(仕事、トレーニング、勉強、ボランティアなどの活動)に応じて、連邦政府から補助金が支給されます。

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年収が7万ドル以下の場合、補助金の最高額である85%が支給されます。一方で収入が非常に高い場合は、政府からの補助金は30%にとどまるでしょう
「サービス自体、例えば1時間10ドルの費用がかかるかもしれませんが、収入に応じた補助金を受けることで費用をマネージすることが可能になります」
ガーディナーさんによると、デイケアセンターやプリスクールによっては最長で2年間のウェイティング期間があるため、できるだけ早く子どもの名前をウェイティングリストに載せることを勧めています。
保育補助金を受けるには、親、またはパートナーがオーストラリア市民、永住者、またはや一時的なビザ(、)を取得している必要があります。

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親またはそのパートナーが、オーストラリア政府がスポンサーとなっている海外からの留学生である場合にも、条件を満たすことができます。
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