コロナ禍のリモート学習

オーストラリア各地で実施されているロックダウンにより、リモート学習を余儀なくされている子どもたち。サポートにまわる親御さんの多くが、その厳しい状況に頭を抱えているようですが、リモート学習のリソースやヘルプが存在するのはご存知ですか?

Home schooling Working from home and overseeing children while they learn remotely during COVID-19 can be quite challenging for most parents.

Working from home and overseeing children while they learn remotely can be challenging for most parents. Source: GettyImagesImgorthand

自宅で仕事をしながら、子供のリモート学習を支えることは、多くの親にとって非常に困難なことです。

しかし、シドニー、キャンベラ、メルボルンでロックダウンが実施されるなか、多くの親が複数の役割を同時にこなすことを余儀なくされています。

 の教育コンサルタント、 は14年間に渡り自身の子供2人を自宅で教育してきました。キッドさんは、コロナ禍に実施される「ホーム・ベースド・ラーニング」は、学校や先生からのサポートがあり、子供を学校の環境から完全に排除して行う「ホームスクーリング」とは異なると語ります。

小学校の教師であったキッドさんによると、9時から3時という学校のプログラムには、さまざまな休息や活動など、多くの中断があり、実際に勉強をするのは2~3時間ほどです。そのため、自宅では9時から3時という学校同様のスケジュールに従う必要はないと語ります。

彼女は、低学年の生徒には勉強の大半を午前中に行わせ、ティーンネイジャーには成長における体の変化に適応するため、夜更かしし、遅めに起きることを提案しています。
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は冒険家で写真家、作家であるジェイソン・キンブリー氏が設立した非営利団体で、教師や保護者が利用できる教材を提供しており、オーストラリアの学校の90%が利用していると言います。

パンデミックにより、国内外でオンライン教材の需要が高まる中、同団体は教材を簡略化するなど多忙を極めています。

ホーム・ベース・ラーニングで成功する

クール・オーストラリアでは、豪カリキュラムの主要科目である数学や英語などの教材に加えて、パーソナルやソーシャルスキルを育成する無料アクティビティも提供しているとキンブリー氏は語ります。
自信を持ち、自分を律し、意思決定をする能力を身につけるにはどうしたらよいか
これまで以上に家族と過ごす時間が長くなったいま、キンブリー氏は、「前向きに、この経験を最大限に活かしてほしい」と親御さんに呼びかけています。
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キンブリー氏は、自宅の学習環境を整えることや、子どもたちに制服を着せることなどを提案しています。
そうるすることで、勉強しよう、学ぼうという意識が芽生えるのです
2010年と2011年に発生したニュージーランドのクライストチャーチ地震の際には、数週間に渡り、ホーム・ベースド・ラーニングが実施されましたが、教育専門家が行った調査によると、その結果、生徒の成績が向上したことがわかりました。

ブリスベン在住の2児の母、モナ・ペレスさんによると、パンデミックにより、ホーム・ベースド・ラーニングに移行後は、10歳の娘の算数が著しく上達したと話します。

「娘は学校でいつも算数で苦労していました」

移民・難民の生徒が直面する不利な状況

一方で、ビクトリア州を拠点にする のメシュ・クマール氏によると、彼が支援する学生の多くは異なる状況に直面していると話します。

クマール氏のクライアントの多くは、この国で成功したいという明確な意志を持って来豪していますが、COVID-19による雇用削減、社会的孤立、家庭内教育などの障害が、家族にさらなる負担をかけていると話します。

「4人の子供がいる場合、適切な学習環境はなく、十分なスペースも設備もありません」
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Source: GettyImagessvetkid
またクマール氏は、英語力やオーストラリアの教育制度への理解が不十分なために親が手助けできず、弟妹を助けなければならない中高校生が多いことも懸念しています。

この移民・難民センターでは、や地元の学校と協力して、子供たちが自宅で学習できるように機器の支援を行っています。

クマール氏によると、移民や難民のバックグラウンドを持つ生徒の中には、オーストラリア生まれの生徒と同等の立場ではなく、勉強に専念する余裕がない場合もあるそうです。

「特に移民や難民の少女たちは、母親からさまざまな仕事をさせられるため、宿題をする時間もなく、より困難な状況にあります」

サザン移民・難民センターでは、生徒の学習成果の向上を支援するを、オンラインで提供しています。
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ニューサウスウェールズ州-グレーターシドニー並びに同州の地方部では自宅待機命令が敷かれており、学校もリモート学習に移行しています。地方部では8月22日の解除を予定しています。ファミリーデイケアを含む、アーリー・エデュケーション・アンド・ケア・サービスはこの期間も営業を続けることができます。詳しくはから。

ビクトリア州 -メルボルン・メトロポリタンの学校では脆弱な子供や、両親がエッセンシャルワーカーで在宅勤務ができない場合を除き、すべての生徒を対象にリモート・アンド・フレキシブル・ラーニングに移行しました。詳細は から。

ACT- 生徒は自宅に留まるよう要望されています。ACTのすべての学校は、脆弱な子供や両親が在宅勤務できない子供のため、引き続き開校しています。詳しくは から。

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Published 18 August 2021 12:53pm
By Amy Chien-Yu Wang
Presented by Yumi Oba


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