Key Points
- 報告書において、他のOECD加盟国と豪の学校の評価を比較
- 豪の教育環境は多方面に渡り低評価ということが明らかに
- また豪教師の給料は他のOECD加盟国より僅かに少なく労働時間が長いことが明らかに
報告書によりますと、OECD(経済協力開発機構)加盟国38カ国のうち、オーストラリアは生徒の規律が最低とされる国のうちの1つになり、またオーストラリアの教師は最も、生徒の不品行に対応する準備ができていないと感じているということです。
OECDの教育政策アウトルックで、オーストラリアの学習環境は、「規律のある雰囲気、脅しやいじめという点で他国より良好ではない」と示されました。
またOECD加盟国38カ国のうち、教室内での問題行動に対して準備ができていると思う、また対処できると思うと報告した教員の数は、他国と比べ少なかったということです。
またオーストラリアの教員の担当する正味の授業時間は平均よりも長く、校長を除いた同様の教育を修了した就業者と比べ、所得はわずかに下回りました。
また報告書は、オーストラリアの教育システムについて懸念されている分野として、高い水準での教員不足を挙げています。能力が高く仕事に傾倒する教員の確保が多く必要だということです。
さらに、「2025年までに、必要とされるセカンダリースクールの教員が4100人不足するということが全国的な証拠により予測されている」と報告書は述べています。
Lower secondary school の生徒を担当する教員は、大学教育を受けた他の就業者の平均の99パーセントの所得があるということがわかりました。しかし、校長の所得は185パーセントで、OECD加盟国の学長の中では最高水準に入っています。
また生徒の欠席は平均を上回り、15歳の生徒の3人に1人が2018年のPISAと呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査のテストが行われる前の2週間以内に、少なくとも1日学校を休んだと報告しています。他のOECD加盟国では5人に1人です。(PISA: Programme for International Student Assessment)
またこの報告書は、COVID-19 のパンデミック、そして以前からあった積み上げ式の学習においての格差などからの混乱のため、高校の最終学年あたりでの生徒の離脱が進んでいるという証拠を明らかにしています。
連邦政府のジェイソン・クレア教育相は、この報告書は現在直面している公平性に関する問題や教員に関する課題について裏付けていると述べています。
「国際的な基準で見て我々が優れた教育のシステムを持っているということをこの報告書は明らかにしていますが、我々はこれがもっと良く、またもっと公平であるべきだとわかっています」
オーストラリア教育労働組合のフェデラル・プレジデント、コレナ・ヘイソープ氏は、この報告書は教育における公平性の必要性についてを再確認していると述べています。
「OECDは、国際的に比較してオーストラリアの生徒のパフォーマンスが優れていることを明らかにしていますが、我々のPISAのパフォーマンスは下降を続けています。そしてまた15歳の生徒のリテラシーと数学の能力に大きな格差があります」
「またこれは、全ての段階においての教職に就く人と、話し合い、協力をする必要性を強調しています」
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!