ビクトリア州で現在審議が行われているパンデミック管理法案に反対する抗議者たちが、ビクトリア州議会前の階段で一夜を過ごしました。
同州で今後パンデミックが発生した際に州政府に与えられる権限を定めるパンデミック管理法案はすでに州議会下院を通過しており、火曜日午後から上院での審議が始まりました。審議は水曜日一時中断され、木曜日に再開される予定です。
この法案は、州首相と保健省にパンデミックを宣言し、公衆衛生命令を出す権限を与えるもので、政府が修正を加えて3人の無所属議員の支持を得たため、可決はほぼ確実視されています。
しかしこの法案は、反ロックダウン派や反ワクチン派の避雷針となっており、州議会前の階段では数百人の抗議者が審議が行われる間、座り込むことを計画しています。
この法案は、範囲が広すぎ、議会の監視機能が欠如していると批判されており、また保健省が、年齢や居住地、予防接種の有無、職業などの「特徴、属性、状況」に基づいて命令を下すことができるという条項が物議を醸しています。
このほど行われた法改正により、州首相がパンデミックを宣言するには「合理的な理由」が必要であること、特性に基づく命令の適用は「公衆衛生上のリスクに関連していなければならない」ことが明確になりました。

Protesters outside Victorian State Parliament in Melbourne Source: AAP
また公衆衛生命令に違反した場合の罰金の上限が半減されたほか、保健相は、州の人権・責任憲章があらゆる決定において果たした役割を確認することも求められます。
さらには、命令におけるアドバイスが出された場合は、2週間以内ではなく1週間以内に公表することが求められ、議会の法律・規則精査委員会には、命令が提出された後ではなく、命令が出された時点で検討する権限が与えられます。
マーティン・フォーリー保健相によると、今回の改正は、公衆衛生、人権、法律の専門家との協議を経て行われたと述べています。
「この新たなパンデミック法は、COVID-19のようなパンデミックを管理するための明確な枠組みを提供すると同時に、すべてのビクトリア州民の安全を最優先するものであります」
政府は、動物正義党のアンディ・メディック議員、理想党のフィオーナ・パテン議員、ビクトリア緑の党のサマンサ・ラットナム党首の支持を得て、立法議会での法案可決を目指しています。
ソーシャルメディアに投稿された動画では、デモ隊が木製の絞首台の周りに集まり、「Freedom(自由)」、「Traitor(裏切り者)」、「Kill Dan Andrews(ダン・アンドリュースを殺せ)」、「Hang Dan Andrews(ダン・アンドリュースを吊るせ)」と唱えながら、首相のインフレータブル人形の頭を縄に通そうとしている様子が映されています。
ダニエル・アンドリュース首相は、圧倒的多数の人々がCOVID-19の予防接種を受けていることを考えると、議会の外での光景はビクトリア州の社会を反映したものではないと述べ、反対派が「政治的なゲーム」をしていると非難しました。
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