ニューサウスウェールズ州の男児、ウィリアム・ティレル君(当時3歳)の失踪事件を7年間に渡り捜査してきた刑事は、容疑者を1人に絞り込んだことを明らかにしました。
州警察のミック・フラー長官はこの事件に大きな進展があったことを明かし、警察には謎を解明する確信があると発表しました。
「我々が注意深く見てきた、ある特定の人物がいるのは確かです」とフラー長官は火曜日の朝、シドニーの2GB ラジオで語りました。
「このようなケースの場合、捜査やその結果に影響を与えないため、あまり公表することはできません」
「警官たちは、最高の技術を屈指して、土地を捜索する段階に至るまで、たゆまぬ努力を続けてきました」
ウィリアム・ティレル君は2014年、ニューサウスウェールズ州の中北海岸・ケンダルにある養祖母の庭から姿を消しました。当時スパイダーマンのスーツを着ていたウィリアム君の失踪は、現在でも国民の関心を集めています。

NSW Police announced on Monday they were conducting a new "high intensity" search for William's remains near the Kendall home. Source: NSW Police
ニューサウスウェールズ州警察は月曜日、ケンダルの家の近くで、ウィリアム君の遺体を集中的に捜査することを発表。現在30人のSESボランティアの協力を得て、捜査が行われています。
火曜日映し出された捜査エリアの映像からは、ボランティアらがチェーンソーなどの重機を使って、大きな木を伐採するなど、鬱蒼としたブッシュランドを除去している様子がわかりました。
デビッド・エリエット警察相は、この事件に関連していると思われる人物、または複数の人物に対するAVO*について問われると、発言を避けました。
「警察がAVOを発行していることは公然の事実です」と彼はセブンネットワークに語りました。
「賢い弁護士が我々のコメントを使って有罪判決を無効にしないように、公の場での議論は慎重に行う必要がある」と述べました。
またこれに先立ち、彼はナイン・ネットワークに対し、「ウィリアム君と関係のあった多くの人々が警察の取り調べを受けたことは公然の事実である」と語っています。
ウィリアム君の里親は、法的な理由からこれまで公に名前を出されていません。
2019年に放送されたポッドキャスト「Where's William Tyrrell」で里親にインタビューしたテンのレポーター、リア・ハリス氏は、最近検視裁判所から「非常に広範な資料」の召喚状を受け取ったと語っています。
「ポッドキャストのための調査で発見したすべてのもの、音声ファイル、文書、里親との広範なインタビューの生テープを含むすべてのものです」と、彼女は火曜日、2GBに語りました。
「それは彼ら(警察)が新しい方向性を持ったか、あるいは新しい理論を持って取り組んでいることを示していると感じました」。
昨年終了したウィリアム君失踪事件に関する検視の結果は、まだ発表されていません。
また、この事件に関する情報提供には100万ドルの賞金がかけられています。
*AVO-Apprehended Violence Order/暴力や安全への脅威にさらされる恐れがある場合に、その被害者を保護するための命令。Restraining Order(接近禁止命令)やProtection Order(保護命令)と呼ばれることもあります。
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