オーストラリアの薬品・医薬品行政局TGAが、モデルナのワクチンをブースター(追加接種)として暫定承認したことにより、オーストラリアでは2種類のワクチンからブースターを選択することができるようになりました。
TGAのはこのほど、18歳以上で、2回目のワクチン接種から6ヵ月が経過している人に対してモデルナによるブースターを許可しました。
TGAによると、最初の2回で受けたワクチンの種類問わず、モデルナを3回目のブースターショットに打つことができると述べています。
ファイザーワクチンはすでに、ブースターとしての使用が承認されています。
オーストラリアではブースターが利用できるようになってから、これまでに50万人以上が3回目のワクチン投与を受けています。
TGAによると、モデルナの暫定承認は安全性と有効性のデータを評価した結果、決断されたとしています。
EU当局COVID-19ブースターの「ミックス&マッチ」を支持
欧州連合(EU)の保健当局は、COVID-19ワクチンを混合して使用することを支持しており、場合によっては1回の接種よりも良い効果が得られる可能性があると述べています。
アストラゼネカ社やジョンソン・エンド・ジョンソン社のような、いわゆるウイルスベクターワクチンを最初に使用し、その後、ファイザー社やモデルナ社のようなメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを使用した場合、最も良い結果が得られるとしています。
欧州医薬品庁(EMA)と欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、共同声明で、いわゆるミックス&マッチ・アプローチは、「初期コースとブースターの両方に使用できる」と述べています。
また、COVID-19の感染者が急増した場合、特に特定のワクチンの在庫が不足している場合などに、各国が柔軟に対応できるようになるとも述べています。
欧州の多くの国では、免疫力が低下していることから、COVID-19ワクチンの初回接種から6ヵ月が経った人に対して、すでに追加接種を開始しています。
「異種混合ワクチンの研究から得られた証拠は、ウイルスベクターワクチンとmRNAワクチンを併用することで、同じワクチンを使用するよりも、良好なレベルの抗体と高いT細胞反応が得られることを示唆している」と述べています。
T細胞は、重篤な病気に対する抗体による防御の後の第二段階目の防御手段です。

The Pfizer COVID-19 vaccine will be able to be administered to children aged five to 11 from 10 January next year. Source: AAP
ウイルスベクターワクチンを2回目の投与として使用した場合や、2種類のmRNAワクチンを混合して使用した場合の結果は、「あまり研究されていない」と機関は述べています。
一部の研究では、痛み、発熱、頭痛、疲労感などの副作用が、いわゆる「ミックス&マッチ」方式の方が強いことが示唆されていますが、結果は「一貫していない」と付け加えられています。
EUでは、これまでに4種類のCOVID-19ワクチンを承認しています。
ファイザー/バイオンテック社とモデルナ社のmRNAワクチンは、COVID-19の原因となるウイルスの表面に見られる無害なタンパク質の一部を作るように体の細胞に教える新技術を使用しています。
これにより、感染した場合に本物を撃退するための抗体を免疫系が作るように仕向けます。
一方、アストラゼネカ社とジョンソン・エンド・ジョンソン社が採用しているウイルスベクター法は、風邪の原因となるアデノウイルスを遺伝子操作したものを「ベクター」として使用し、ヒトの細胞に遺伝子を送り込むという、比較的新しい方法であります。
両機関によると、COVID-19による入院や死亡は、どのワクチンを使用したかにかかわらず、ワクチン接種率の高いEU諸国で最も低かったと述べています。また感染を抑えるために、社会的な距離を置くなどの衛生対策を継続するよう各国に呼びかけています。
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