キーポイント:
- 地域のスポーツクラブでは、多文化コミュニティを歓迎し、民族的バックグランドを祝うイベントを開催している
- 地域のスポーツクラブでは、男女ともにノンコンタクトのフッティーやラグビーを提供している
- メンバーは試合に参加するだけでなく、ボランティアとしてクラブの運営を手伝うことができる
オージールールズ
オーストラリアン・ルール・フットボール(以下、フッティー)は、1850年代後半、クリケット選手がオフシーズン中に体を鍛える手段として生まれ、徐々に組織化していきました。
現在国内では125万人以上の選手がオージー・ルールズに参加しており、また男女ともに競技があるため、オーストラリアでプレーされる他のどのスポーツよりも多くの観客を魅了しています。
は、オーストラリアン・フットボールが国際的な舞台はもとより、オーストラリアの多文化コミュニティ内で成長・発展するよう、設立されました。
AFIは人々やコミュニティにスポーツを通じて力を与えることを目指しており、「誰の参加も歓迎している」とブライアン・クラークCEOは、述べています。
どこの国の人でも、このスポーツに参加することができます
クラーク氏によると、ゲーム特有のルールはたくさんありますが、フッティーは「自由度の高さ」から特にエキサイティングなスポーツだと言います。
サッカーやラグビー、さらにはバスケットボールを混合させたようなものです
「ボールを受け取ったら、走る、蹴る、ハンドボール(拳で打つ/パンチ)する、とたくさんの選択肢があり、どこにでも動くことができます。手も使えるので、ゴールキーパーはいません。誰でもゴールキーパーになれるのです」。
来豪したばかりの人にとって、最も困難なことは得点の仕組みを理解することだとクラーク氏は言います。
フッティーではゴールの位置に4本のゴールポスト(外側に短い柱2本、内側に高い柱2本)があり、ボールがどのような方法で、どの柱の間を通過しかたかで得点が異なります。
フッティーのスコアはゴール(6点)とビハインド(1点)からなります。内側の高いゴールポスト2本の間をシュートで通過すれば6得点。一方で、外側の短いポストと内側の高いポストの間を通過した場合やゴールを通過する前に相手チームがボールに触れた場合、手で押し込んだり、パンチしてゴールを決めた場合はいずれも1得点となります。
またフッティーでは最終的なスコアの表示が特殊で、「ゴール数.ビハインド数」(ゴール数☓6+ビハインド数☓1)と表示されます。
例えばゴールが2、ビハインドが6の場合、2.6(18)と表示されます。
スコアリングを理解するのは非常に困難ですが、それこそがこのスポーツのユニークなところです
2004年以来、AFIは、アルバニア、ギリシャ、イスラエル、イタリア、レバノン、マケドニア、サモア、南アフリカ、トンガ、ベトナムなど、さまざまなチームを設立してきました。
クラーク氏は、地元のフッティークラブに参加することは、心身の健康を増進し、自信を高めるほか、会話のきっかけとなるような新しいオーストラリアの表現を学ぶのに最適な環境だと話します。
例えば
- "Taking a speckie”とは、 人の肩に飛び乗ってボールをキャッチするような、見事なマーク意味します
- "Sausage roll" または "snag stands" はゴールを蹴ることを意味します

Footy is played by over 1.25 million people across the country Source: Getty Images/Cameron Spencer
サッカー
セミプロの「シドニー・ユナイテッド58 フットボールクラブ」でサッカーをするベラ・ブラゼビックさんは、同クラブのメディアマネージャーとしても活躍しています。
ブラゼビックさんによると、地域のサッカークラブに所属することは、ただ試合に出場するだけでなく、メンバーの民族背景を祝うクラブ主催のイベントにも参加できる機会でもあると語ります。
ステートフッドデーには、クロアチアのクラブで盛大にお祝いをしました。伝統的な衣装を着た子どもたちが、選手と一緒にフィールドに入ってきました
「ニューサウスウェールズ州では、他にも多くのチームが自分たちの民族的背景と強いつながりを持っており、出身国に敬意を表し、母国の特別な日をできるだけ祝っています。地域社会だけでなく、故郷とのつながりも大切にしています」と彼女は言います。
ブラゼビックさんによると、これらのクラブではあらゆる年齢層に適したプログラムを提供しており、親はFootball NSWが提供するコースで審判やコーチになることもできるそうです。
シドニー・ユナイテッド58のスタジアムがあるエデンソール・パークでは、1万2,000人を収容でき、毎週日曜日に試合が行われています。
地域のサッカーイベントに参加することで、オーストラリアのスポーツスラングを学べるかもしれません。
例えば
- "Score a screamer"とは、遠くからゴールを蹴ること
- "Top bins"とは ゴールの上隅にゴールを決めること

Soccer clubs often organise events to pat tribute to the connection to ethnic background of their members Source: Getty Images/Halie West/EyeEm
クリケット
UTSノースシドニー・クリケット・クラブ(通称ベアーズ)の理事を務めるニコル・レノワール・ジョウダンさんによると、オーストラリアには約4,000のクリケットクラブがあり、年齢や経験問わず、いつでも好きな時に参加することができると言います。また自分でクラブを立ち上げ、友人たちとレクリエーションとしてプレイすることもできますが、すでに設立されている地元のチームに参加することで、用具や競技場、公認の審判などにかかる費用を節約することができると話します。
その一方で、地元のクラブに参加するには、必要な用具に、ある程度の投資が必要になることもあると警告しています。
通常、参加費を払えばクリケットシャツがもらえますが、クリケットパッドやバットは自分で購入しなければなりません
クリケットの競技規則は、"Laws"と呼ばれ、現在42のLawがあります。
レノワール・ジョウダンさんにとって、ゲームの中で最も楽しい瞬間は、選手が審判にバッツマンがアウトかどうかを判断してもらうときだと言います。
選手やチーム全員が手を挙げて、『ハウザット?!』と叫びます

There are almost 4,000 cricket clubs in Australia Source: Getty Images/Corbis/VCG
ラグビー
ニューサウスウェールズ州のコミュニティ・ラグビーリーグ・マネージャーのピーター・クラーク氏によると、ラグビーリーグとラグビーユニオンの主な違いは、選手の数がそれぞれ13人と15人であることだと言います。
またドロップゴールやペナルティーの計算方法も異なると言います。
コミュニティクラブのラグビーは、プロ選手がプレーするラフなゲームとは異なるとクラーク氏は指摘。
コミュニティ・ラグビー・クラブでは、安全なプレー規定があり、非接触型のプレーを選択することもできます。
登録料の一部として、登録者全員に保険が提供されます
またクラーク氏は、このスポーツの試合を説明する上で、多くのラグビー用語が存在すると言います。
例えば、キックの説明だけでも複数の表現があります
- "Grubber" 地面を転がるようなキック
- "Banana kick" 向いている方向とは逆の方向に飛んでいくキックの軌道や飛行を意味します
- "Bomb kick" キッカーが足からボールを空中に高く打ち上げること
- "Chip kick" ディフェンスラインを越える小さなキックで、キッカーがボールを回収したり、他のプレーヤーに蹴ろうとするもの

NWS Rugby League runs Try League programs for CALD communities to learn the game in a fun, non-competitive format Source: Getty Images/PeopleImages
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