メルボルンのピーター・ドハーティー感染免疫研究所が、中国国外の施設で初めて、新型コロナウイルスの研究室での培養に成功したことが、29日分かりました。
ウイルスの培養は、感染者の男性からサンプルを採取して行われました。
ウイルスの培養に成功したことで、ワクチンの開発ペースが加速すると期待されています。さらに、まだ症状のない感染者への抗体検査や、感染の疑いがある患者に対するより正確な診断などに今後つながる見込みです。
培養されたウイルスは国内各地の研究所そして世界保健機関(WHO)を通じて欧州などの研究所と共有されます。
新型ウイルスをめぐっては、ウイルスのゲノム配列が中国当局によりすでに公表されています。ピーター・ドハーティー感染免疫研究所をまとめるジュリアン・ドゥルース博士は、今回生きた本物のウイルスの培養に成功したことで「診断方法が革新的に変わる」と語っています。

The human coronavirus Source: Getty
武漢に残るオーストラリア人はクリスマス島へ
連邦政府のスコット・モリソン首相は29日、新型コロナウイルスの発生源とされ現在封鎖状態にある中国・武漢に取り残されているオーストラリア人約600人について、一部の人をクリスマス島に避難させる計画を明らかにしました。
クリスマス島は隔離施設として利用され、避難した人は島で14日間過ごすことになります。
モリソン首相は、武漢やその周辺地域に取り残されているオーストラリア人について、子どもや高齢者など感染リスクの高い人を優先してクリスマス島に避難させる用意を進めていることを明らかにしました。
中国当局の協力と承認を得ながら作業を進めますが、避難させる人数については、現時点では回答するのは時期尚早としています。
モリソン政権は昨年、それまで閉鎖されていたクリスマス島の難民収容施設を再び使用できるようにしています。