オーストラリアにおけるコロナウイルスワクチンの接種について、最近、さまざまな変更や発表が行われています。
物流の問題から、予約のトラブルなど、オーストラリアのワクチンプログラムはこれまであらゆる問題に見舞われてきました。特に、ワクチン摂取プログラムの中心とされてきたアストラゼネカ社のワクチンについて、50歳以下の成人に対する新たなアドバイスが発表されてからは、ワクチン接種を躊躇する声が相次いでいます。
ワクチンの接種率が予想以上に低い中、当局は対象となるオーストラリア人に一刻も早くワクチンを接種するよう呼びかけており、一部の州では独自の方法で事態を早めようとしています。
いつワクチンを摂取できるのか?
連邦政府は、優先順位の高いグループから、段階的にワクチン接種を展開しており、今月開始した、改訂されたフェーズ2aでは、ワクチンの対象者が50歳以上の成人に拡大されています。
しかし、ニューサウスウェールズ州では、今週、40-49歳のすべての人に対しても摂取が開始されたほか、南オーストラリア州では、地域の16歳以上の人が対象になったと発表されました。
一方で、クイーンズランド州の40-49歳の人々は、コミュニティの新しい予防接種施設がオープンする7月末から、ファイザー社のワクチンを受けられる見込みです。
残りの人口である16歳から49歳の人々の摂取は、フェーズ2bから可能となる一方で、開始時期については現在発表されていません。
連邦政府は、ワクチンプログラムの3月の目標が数百万人分下回ったことを棚上げしてからは、展開スケジュールについて明確にすることを避けていると見られます。
しかし、10月がワクチン接種の転機となる可能性が出てきました。

Health Minister Greg Hunt speaks to the media during a press conference in Canberra, Monday, 10 May, 2021. Source: AAP
グレッグ・ハント保健相は、週末行われたナイン・ニュースによる取材で、オーストラリアは供給状況に応じて、10月の初めから毎週200万人分のファイザー社のワクチンを接種できる可能性があることを明かしました。これは、クリスマスまでに予防接種を希望するすべての人が接種を受けられることを意味します。
ワクチンは、ビザやメディケアの有無にかかわらず、オーストラリアに住むすべての人が無料で受けることができます。
そのほかに知っておくべきことは?
一部のテリトリーでは、できるだけ早く多くの対象者がワクチンを受けられるように、大規模摂取施設を開設していますが、その一方で、ワクチンの無駄を防ぐため、優先順位の高くない接種グループの人々にもワクチンを接種しているという報告があります。
厚生労働省は、特に冬の到来を前に、予防接種を受けられる人に接種を呼びかけています。
ここ数週間に渡り、50歳以上の方はアストラゼネカ社の予防接種を受けられるようになりましたが、ファイザー社の予防接種を年明けまで待つ人もいるのではないかと懸念されています。
「私たちは誰にも待ってほしくありません。資格のある方は、予防接種を待ってはいけません」とハント氏は日曜日に述べました。
「ワクチンを受けずにCOVIDに感染すると、命を失う可能性があります。それくらいシンプルなことなのです」。
また、ワクチン接種をためらう人々に対抗するため、を求める声もあります。

People lining up at a mass COVID-19 vaccination hub in Sydney Source: AAP
調査会社リゾルブ・ストラテジック社が最近行った調査によると、オーストラリアの成人の15%が今後数ヵ月の間にワクチンを接種する可能性が「全くない」、14%が「あまりない」と回答しています。
チーフ・メディカル・オフィサーのポール・ケリー氏は、月曜日、70歳以上の人々のワクチン接種は極めて順調に展開している一方で、50歳から69歳の人々には「若干のためらい」があると明かしました。
オーストラリア医師会のクリス・モイ氏は、ワクチンへの戸惑いについて対処しない限り、人々は重い腰を上げないであろうとしています。
規制当局は先週、アストラゼネカ社のワクチンに関連すると思われる非常に稀な血栓の事例をさらに6件発見したことを公表しました。しかし、オーストラリアにおける血栓の発症は、210万回の接種で24件に留まっているとし、オーストラリア政府は、ワクチン接種のメリットがリスクをはるかに上回ることを繰り返し強調しています。
23日までに361万3053回の接種が行われています。
With AAP.
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