Key Points
- マーシャン太陽君(13)は6歳でバスキングを始める
- 現在フランス版『ザ・ヴォイス・キッズ』に出演中
- マーシャン太陽君は日本語、英語、フランス語を話すトライリングル
ノーザンビーチ在住の13歳、マーシャン太陽君。
6歳でバスキングを始め、11歳の頃には自身で作詞作曲を手掛けたアルバムをリリースする、若き才能の元に昨年、あるオーディションのオファーが舞い込んできました。
幼い頃から「スターになること」を夢みてきた太陽君は、父・ジュリアンさんの母国、フランスの『ザ・ヴォイス・キッズ』からのオファーに迷うことはありませんでした。
すべての撮影は終了したものの、番組のオンエア近くになるまではその詳細を語ることはできず、秘密を守るのは「とても大変だった」、とこの数ヵ月を振り返ります。

Taiyo came into the SBS Sydney studio for an interview Credit: Yumi Oba
「複雑なピアノが好きなんだ。コードを弾くだけじゃない。ピアノ自体が声と一緒にメロディを持っているんだ」
これは自分を受け入れられない人の話。フレディ(・マーキュリー)は過去の自分に語りかけているんだ。マーシャン太陽
まるで自分の曲のように熱唱した太陽君は、次のラウンドへと進みました。
オーディションの経験を振り返った太陽君は、バンドが最初のコードを鳴らしたときのアドレナリンの高まりを、「これまで経験したことのないもの」と説明し、またステージに立ちたい思いを語ってくれました。
またフランスで注目されているのは、彼の歌唱力だけではありません。ブラインド・オーディション後、太陽君の自信と積極的な性格はソーシャルメディア上で話題となりました。
ステージの上でも外でも落ち着いている太陽君。舞台裏では、他の出場者たちに囲まれて、愛用のキーボードで音楽セッションをするなど、人気者です。
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バスキング歴7年目 マーシャン太陽くん13歳、夢は「スターになること」
「これほど自信に満ちた子供はフランスでも珍しいんです」とジュリアンさんは言います。
「自信過剰だという声もありましたが、彼の自信は(ほとんどの)子供たちがオーストラリアで受けている積極的なサポートから来ているのだと指摘する人もいました」
「長年にわたるバスキングが太陽に自信をつけさせ、パーフェクトでないことを恐れないようになったことは間違いありませんが、オーストラリアでの教育も、今日の太陽を形成したことは確かだと思います」

Six-year-old Taiyo busking for the first time. Credit: Sachiko Marchand
「僕はいつもこの3つの言語に囲まれてきました」と多言語教育を振り返る太陽君。
マルチリンガル教育
マーシャン一家には、子供たちが生まれる前からあるルールがありました。母と子の会話は日本語で、父と子の会話はフランス語で、そして英語は最小限に抑えるというものです。
母の祥子さんは、家族の間で交わされる会話は「不思議」と表現。
太陽君の音楽の才能が開花した環境を反映するように、マーシャン家では言葉を学び、互いに成長し合う環境が整っていました。
「親にやらされているのではなく、自分が好きで(音楽を)やっている」と説明する祥子さん。
「私たちはただ、音楽が成長するための環境を提供してきただけなのです」

(L to R) Sachiko, Taiyo and Julien Marchand at the SBS Sydney studio. Credit: Yumi Oba
「彼の妹のサヤは脳性麻痺です。そのため、パフォーマンスやバスキング、そして今回のショーは、バランスを変え、彼に焦点を当て、スポットライトを当てる機会となりました」
国際的な注目を浴びている太陽君ですが、バスキングへの愛情は変わっていません。6歳の頃からそうであったように、毎週のようにバスキングで人々に笑顔を届けています。

Taiyo's family are his biggest fan club. Credit: Yumi Oba
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